2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

第138回 芥川賞選評

私小説の世界において、その小説の鍵を持つのは魅力的な脇役の性格を描ききっているかにあるように思える。つまり主人公は作者の人格に限りなく近い存在であることが多いが、それとともに不特定多数の読者の感情移入を受け入れる存在でもあるから、その個性…