2007-01-01から1年間の記事一覧

川中島の戦い

NHK大河ドラマは、今週の川中島における山本勘介の討ち死にによりクライマックスに達する。この川中島の戦いこそ、戦国の世に数ある合戦の象徴的な存在であろう。時代の転換点としては、その前年にあった桶狭間の戦いや小田原城攻めに大きく劣るものの、…

瀬戸内源氏

私がはじめて源氏物語にふれたのは富山中部高校の古典の時間。京都にいた浪人時代の与謝野晶子にはじまり、20歳前後には何人もの訳者の源氏を通読したものだった。そして30になった今年、たまたま文庫本が発刊された瀬戸内寂聴の源氏を読んだ。 どんなに…

NOVAの破綻

NOVAが破綻した。私は、5月にレッスンを終了してボイス会員という利用者であるが、数万円分のボイスチケットの債権者でもある。 仕手筋の関与が指摘された今年9月の切り返しなどはあったが、NOVAの株価は3年前の525円から破綻後の10円台まで…

琴似の風景

琴似を生活の拠点とするようになってから、早一年半も経とうとしている。琴似は、住み始めたときから懐かしく感じられる街だった。たしかに琴似を中核とする札幌市西区は、富山市や函館市と同様に人口20〜30万人規模である。しかし札幌の衛星としての役…

教育の標

私は、北海道の発展のためには製造業の強化こそが大事であると考えている。そして、ハード面では独自の通貨と税関を持つこと、ソフト面では教育の再建こそが、そのためには不可欠と考えている。 ただ前者には天の時を得る必要があるのだから、各界を挙げて不…

企画と管理

組織体は、個々の人間が結集して特定の目標に向けて邁進していくものなのであるが、その過程で必然的に組織内部における対立を孕むことになる。内部における対立の調整に消耗して外向性に欠けるのは論外として、この対立がなく全ての意思決定が円満になされ…

第137回芥川賞選評

この半期の文学界で大きな話題となったのが綿矢りさ「夢を与える」である。「蹴りたい背中」の緻密な描写により最年少で芥川賞に輝いた彼女が、その狭い世界を放棄し、暗示に満ちた人生を鳥瞰したこの作品が“失敗作”であるということは、多くの論者が共通し…

温暖化と北海道

個人的な人間性はともかく組織の意思決定では組織のエゴを貫徹するべきだと思う。北海道庁であれば、世界や日本のためになることを考える必要はなく、北海道民のためにどうするかを考えればよい。もちろん、地球を破滅させてはいけない。しかしそれは、地球…

夕張の財政再建:一年を経て

夕張市が財政再建団体となる意向を表明してからまもなく一年が経とうとしている。相変わらずメディアに取り上げられることは多いが、私は最近、夕張のニュースを見聞きする度に不愉快な気持ちになる。 まず第一に、営利企業の偽善的な態度である。ネスレは、…

アイスブレーキング

私は檜山支庁にいた三年間、ふるる函館やネイパル森で休日を過ごすことが多かった。いずれも青少年研修施設であり、頻繁に小学生を対象とした主催行事を行っていた。こうした行事に、私はボランティアスタッフとして参加していたわけだが、こどもたちには、…

世紀央の風景

BRICsリポートが出たのは2003年。今のところ、リポートの通りに世の中は動いているし、これを超える理論も見当たらない。私は、この4ヶ国が併走するというよりは、ブラジルを除いた3ヶ国のうちいずれかが、2050年には突出した地位を築くと考えている。 今…

初めてのお泊り

国内外のどこそこへ行ったという話しをするとき、言い足りない故に欲求不満になることがある。それは、宿泊した地域と日中に訪ねただけの地域では、印象にかなりの強弱差ができるのである。たとえ幾つもの場所を見て回って話題を沢山仕入れた土地であっても…

傷城

中国旅行中の1月、行き掛かりで立ち寄った合肥という街で「傷城」という映画をみた。たしか20元(約300円)だったと思う。主演は金城武とトニー・レオン。アクション映画など滅多に見ない私が、この映画を選択したのは日本語が聴けるかもしれないという、初…

右肘関節内粉砕骨折

3月5日、退院。3月12日、出勤。そして3月19日にはギブスを外すなど、順調に推移してはいるようだ。しかし、2月8日の骨折以来すでに40日も経過しているにも関わらず、リハビリ通院を強いられ、腕の運動が極度に制限される状況を思えば、一時の事…

産業別構成比

国内総生産と道内総生産の産業別構成を対比することは、北海道経済の症状を診断する上で不可欠のことである。いずれも平成15年度の内閣府「国民経済計算確報」及び北海道「道民経済計算年報」によれば、製造業は全国20%に対して北海道はわずか10%、…

PER・PBR・25日線

先月末、私は資産を、①日本株式、②日本不動産、③外国株式&商品、④外国為替に四分割するポートフォリオの大幅な入れ替えを実施した。①については、北陸&北海道の景気に連動するほくほくホールディングスのみを現物で保有し、電気機器とベンチャー企業の投資…

中国経済は本物か

今度の年末年始は中国を旅行した。私が海外旅行をしたいと思い、初めて購入したガイドブックは、1993年の中国のものであった。結局使われなかったその旅行ガイドから幾年、世界はめまぐるしく変わった。そして、私の興味も歴史から経済へと大きく移った。…

第136回 芥川賞選評

いつぞやの文学界新人賞の選評の中で誰かが述べていたのだけれど、現実の世界のマイノリティーは、必ずしも小説の世界でマイノリティーではない。このときの候補作が判で押したように30台未婚女性だったのだけれど、フリーターやニートについての同じこと…