鉄路の彼方へ

yosuke0araki2004-01-31

 東北新幹線が八戸まで北進し、白鳥が函館までを首都圏と結んだダイヤ改正から、まもなく1周年だという。
 しかし、この新ダイヤは、われわれ青春18切符の愛好者にとっては、改悪でしかなかった。盛岡・八戸間の東北本線はJRから切り離されたし、青森・函館間の海峡も姿を消した。最悪なのは、函館・札幌間のミッドナイトがなくなったことである。これによって、金曜の夜に札幌を出発すればミッドナイト、ムーンライトえちごムーンライト九州を乗り継いで月曜の朝には福岡に到着できるという魅力的な日本縦断の旅が不可能になった。
 JRは、民間企業なのだからもっと合理化し、採算の合わない路線は切り捨てるべきだという考え方もある。しかし、私はJRの資産である鉄道網は、国鉄として国民の税金によって造られたのを譲り受けたものであることを忘れてはならないと思う。そうであるならば、地方のアシの確保のため例え赤字であってもローカル線の減便や廃止は許されない。また、ローカル線の利便向上こそ、公共交通機関への信頼の回復に連なるのであり、クルマ社会の中でJRの生きる道ともなる。

 鉄道に関して、私には夢がある。大阪から上海まではフェリーで。ウルムチを経てカザフスタンウズベキスタントルクメニスタンまで鉄道を乗り継ぐ。国境をバスで越えた後、再び鉄路をテヘランからイスタンブールそして欧州へ向かうというものだ。冷戦時代にはシルクロードを行き交うことは考えられなかった。今でも、トーマスクックの上でしか容易にはできない。いつか数十年後、私が退職したとき、この夢が実現できるような平和な世界が来ていることを願う。