大正の日

yosuke0araki2004-02-01

 4月29日をみどりの日から昭和の日として、激動の昭和を偲ぼうという法改正の動きがあるそうだ。
 私は崩御のとき、もう小学5年になっていた。この世代には、法律を待つまでもなく天皇誕生日としての記憶が残っている。ところで、もう一つ天皇誕生日が祝日として残っているのをご存知だろうか。それは11月3日、明治天皇の誕生日である。戦後の日本国憲法は、この祝日に合わせて公布され、半年後に施行されたので、公布を記念した文化の日として定着している。
 これに対して、冷遇されているのが大正天皇の誕生日である。8月31日、私の誕生日でもあるから、どうしても肩入れしてしまう。
 天皇制に対する賛否もいろいろあり、だから誕生日を祝日にすることに抵抗のある人もいるだろうとは思うけれども、日本の近代が明治から始まったということは、多くの人が認識を共有できるであろう。そうであるならば、一年に一度でも先人が歩んできた道を畏敬の念(あるときは反省)をもって顧みることは有意義なことであると思う。
 明治・昭和と比較すると大正にはどうしても地味な印象がある。しかし、大正デモクラシーとして日本に民主主義が浸透したのも、日本が国連常任理事国として世界平和の担い手となったのも大正時代のことだ。20世紀前半までにおいて、もっとも国民の生活が豊かだった時代でもあると思う。
 だから8月31日を大正を偲ぶ祝日にしようというのが私の意見。しかし、これには経済的な意義もある。つまり北海道・東北などを除くと日本の大半の学校は8月いっぱい夏休みとなっている。夏休み最後の日、おとうさんも会社が休みなら、家族サービスでお出かけということになりやすいと思うのだ。消費を刺激し内需を拡大する。大正の日にはそんな効用もある。