人間になるための学問

yosuke0araki2004-02-08

 ここ数年、私が関心を持っているアカデミックな分野は文学と法学と農学である。そう言うと怪訝な顔をする人がいる。それは、この三つが人文・社会・自然という全く異なるカテゴリーに属していると感じられるからだろう。
 私は、この三つの乖離を意識したことはない。思うに人文科学とは、人間の内面を掘り下げる学問である。手を変え品を代え、常に人間とは何なのか問い掛けている。また社会科学とは、人間と人間の関係を追及する学問である。人間と人間の繋がりによってできる組織や社会のあり方を考えている。さらに自然科学では、人間を取り巻く外界の法則が人間にどう影響しているかというところに視点が設定されている。だから、人文・社会・自然の三つの科学に共通して求められるのは、人間に対する興味、人間に対する愛情、そういったものではないかと私は感じている。
 一見、矛盾するようだが、私の学問に対する向き合い方の根元には人間不信、自分が認められないことへのフラストレーションが存在することを認めざるを得ない。私の中学3年の一学期の成績は国語3・社会4・数学4・理科3・体育2・美術3・音楽2・技術1・英語3ということで公立中の5段階評価でオール3を下回っていた。「人並み以下」ということである。反省して心を入れ替えるというのが本来のあり方なんだろうけど、私はこのとき学校に見切りをつけ、自分に必要な勉強は自分の判断ですることにした。そういう中で、何で勉強するのか自問自答する必要が生まれたのである。不遜といえば不遜だし、このためにこの10年間だいぶ遠回りをしてきたと思うけど、後悔はしていない。

 私は毎週日曜、ひょっこりひょうたん島を見ているんだけど、勉強したくない子供たちに、人間になるために勉強をするんだというサンデー先生の歌が、その中に出てくる。それだけでも、私はサンデー先生はいい先生だなあって思う。