お酒の科学

yosuke0araki2004-02-22

 私が保健管理センターの大塚良則助教授を訪問したのは、もう4年以上も前のことである。
 当時、恵迪寮という大学の寮の自治会で飲酒事故防止対策特別委員というのをしていた私は自治会での議決に基づいて、お酒に関する授業をつくるよう大学当局に働きかけるということをしていたのである。
 お酒に関するといっても、保健管理センターに飲酒事故の危険について話をしてもらうだけではつまらない。獣医学部からはアルコールの毒性について、農学部からは醸造技術それから日本酒の外部効果について、法学部からは飲酒に関する規正法について、文学部からは酒飲みの心理や日本文学の中の酒についてなど、多方面の先生にそれぞれの学問分野から数時間づつ講義していただくものであった。大塚先生は、快くその授業の責任者となることを承諾してくれた。初年度にあたる2001年には1年生2500人のうち750人近くが大講義室に殺到したのが、この企画に直接関わった者の一人として記憶に新しい。
 私の卒業後、寮自治会はこの企画から手を引いたという。前任者のやることに拘束される必要はないし、もはや私は大学の授業について、あれこれ言う立場にはない。だけれど、特に一年生の段階においては、こういう身近な話題を多方面からの学問的なアプローチで捉えようとする試みは大切だ。私自身にとって、阿部和厚教授らの演習林・牧場・練習船での企画、故・渡邊暉夫教授らの「科学の発展と地球環境」がどれほど大きな影響だったことか。そういう学問に対応できる話題はいくらでもある。「温泉の科学」なんてのはすぐできると思う。「函館の科学」みたいな取り上げ方もいいと思うし、「ポルノの科学」でも内容が難しくなる可能性はあるが面白いと思う。
 ちなみに例年通りであれば「お酒の科学」は、4月からの一学期に月曜の16:30〜18:00に高等教育機能総合センターの大講堂であるはずだ。札幌在住の人であれば聴きにいってはどうだろうか。