モーニング娘。

yosuke0araki2004-03-13

 今さらモーニング娘。もないだろうとは思うのだけれど。

 私がモーニング娘。に初めて関心を持ったのはラブマシーンだった。新メンバーの後藤真希を中心にしたこの時期から早五年。構成員もグループそのものも大きく変化した。
 拡大を続けるモーニング娘。には政治経済学派のブキャナンがケインズ政策にしたと同じ批判が当てはまる。ケインズは、不況時には減税・インフレ政策を、好況時には増税・デフレ政策を採るべきだと主張する。しかしインフレ政策が抵抗なく受け入れられるのに対して、デフレ政策は決定プロセスに反対が大きいため先延ばしにされる。結果的には下方硬直的なインフレ基調となる。モーニング娘。も同様に、マンネリ化阻止のために新規加入は必要なのに、卒業に関しては総論賛成・各論反対みたいなことになり人数は増えるばかりである。
 この肥大化する組織のリストラには、二つの方法が考えられる。一つ目は大規模なリストラ部隊を作ること。二つ目は小規模なリストラされない部隊を作ること。
 おとめ組さくら組への分割は、前者の可能性を持っていた。一方が数曲ヒットを続け、他方がそれができなかったら、以後は扱いを差別化していくことによって、メディア露出する実質的なメンバーを半減できる。しかし高橋愛藤本美貴を分けてしまったことで、両者の差別化は困難になった。今やモーニング娘。を引っ張っていけるのは、この二人しかいない。吉澤ひとみ石川梨華、デビュー時には好きだったけれど、前面に出ると魅力が激減する「背景の美少女」だった。しかし高橋にしても藤本にしても、松浦亜弥や後藤のようなスター性はないから七人ものグループの華になるのは荷が重い。
 だからモーニング娘。のこれからは、魅力的な小ユニットが本体を抜いていくというところにある。私は、ミニモニ。なかなかいいと思う。4人ぐらいだと小回りは効くし、辻加護の三枚目としての魅力が、高橋が矢口に代わってから、より引き立っている。これから留意しなければならないのは、人気はこの三人よりも落ちるであろうリカを切らないことだ。かつてのSPEEDは新垣ひとえがいることによってグループの存在感を大きくしていた。かつて中澤が「自分はモーニング娘の中で刺身のツマ」と言って、かつその役割に誇りをもっていたのは高い見識である。

 今は彼女たちにとって正念場。変化することで時代を渡ってきたグループが、これからどう変化するのか、私は注目している。