北海道における大学の再編成

yosuke0araki2004-07-24

 先週、札幌へ行ったら七大戦の開幕式をやっていた。七大戦とは旧帝国大学を前身とする大学(京城台北の両大学を除く)の体育会が共催する定期大会である。私が一年生のときに北海道大学の主管だったから、もうそれから七年になるのか。過ぎ去りし月日の速さに感慨は大きい。
 その間に国立大学は独立行政法人になった。独立行政法人化が大学の研究者等を公務員ではなくするという行政改革の数合わせの側面があることは否定できないが、今や大学が白い巨塔であることが許されなくなったという事実もある。政治的な圧力には学問の自由をもって対せるけれども、世論が経済性を要求するなら大学の本質を侵さない限りでの合理化の努力は必要である。
 総合大学と医科大学の統合などの動きが全国で始まっている。しかし、大規模校ほどその動きが鈍いという傾向にある。研究等で高い評価を得ているならば、その現状を変えるべきではないということになるのだろうか。そしてこの考え方は、北大においても根強い。
 私は逆に、北大こそ道内における大学再編のイニシアチブを執るべきだと考えている。今の北大には12の学部があるが、道内他大学の講座と合理化することによって多様な科学のニーズに対応できるようになると思うからだ。
 第一に法学部・経済学部は小樽に移すことができる。小樽商科大学単科大学だけれども、法律・経済・商・社会に対応する学科を持っており量的なバックアップがあれば四学部に編成することができる。第二に教育学部あいの里に移すことができる。北海道教育大学では教員養成の目的があいの里とダブる岩見沢校を廃止しようとしているけれども、あいの里にゼロ免課程のアカデミックな役割を担当させることで札幌圏の教員養成ニーズに岩見沢校が対応すればよい。
 次に農学部に7つある学科と獣医学部水産学部の再編である。第三に畜産学科と獣医学部帯広畜産大学と合理化することができる。第四に森林科学科を地球環境科学研究科と再編して旭川に森林科学部を設置することができる。旭川は30万都市であると同時に旧文部省有地の半分もの面積を占めた雨竜・中川・天塩演習林の拠点としての位置にある。第五に函館の水産学部も地環研とともに海洋科学部に再編する。
 思いつくままに並べただけだが、札幌キャンパス(文学部・理学部・医学部・歯学部・薬学部・農学部・工学部)、あいの里キャンパス(教育学部)、小樽キャンパス(法学部・経済学部・商学部社会学部)、函館キャンパス(教育学部・海洋科学部)、旭川キャンパス(教育学部・森林科学部)、釧路キャンパス(教育学部)、帯広キャンパス(畜産学部獣医学部)、岩見沢キャンパス(教育学部)、室蘭キャンパス(工学部)、北見キャンパス(工学部)の10キャンパス16学部に再編することができる。中身が変わらないと評価できないけれど、青写真としては上出来だというのは自画自賛に過ぎるだろうか。