外国為替相場

yosuke0araki2005-10-29

 ほくほくホ−ルディングス(北陸銀行北海道銀行)株が取得時33万円の1.5倍49万7千円になった木曜、TBS買収の失敗や個人情報漏洩に揺れる楽天株を発注した。次は、日本航空日本マクドナルドをと思っているのだけれど、これだけ国内株式に投資すれば公務員の薄給を外国為替に振り向ける余裕はない。残念ではあるけれど、外国為替保証金口座を撤収した。3ヶ月で1万円強のプラスであった。
 短期的なテクニックによって収支はプラスになったものの、ドル高・ユ−ロ安・円安を読み切れなかった私の挫折感は大きい。長期的な経済成長がようやく転換しようとしているアメリカに対して、欧州と日本もまた大不況のトンネルを抜けようとしている。ところが、この3ヶ月というもの通貨は株とは正反対の値動きをしたというのは全く想定外のことだった。
 しかしよく考えてみれば、様々な要因があるにせよ、ドル高の最も有力な要因はアメリカの高金利という一見明白な事実であった。一般的に、金利が高ければ金回りが悪くなり、低ければ良くなる。日本の場合、ゼロ金利に近い状態にしてはじめて今の景気があるということである。それはここ数年の日本経済がいかに悲惨だったということ、アメリカ経済の潜在力が未だいかに突出したものだったかを物語る。目先の政局などに左右されることないよう自戒してきたが、それを超えて総合的な国力を見通すことができなければ為替相場ではやっていけないと深く認識した。
 ところで今日におけるGDP上位15ヶ国を列挙すると、先進7ヶ国の他、先進国と地理的に隣接するメキシコ・スペイン・オランダ・韓国、そしてBRICsということになる。私がここで注視したいのは上位15まで並べてみてもそのほとんどがドル圏かユ−ロ圏の構成員であるということである。例えば、BRICsの首位にある中国は既にカナダを抜き、アメリカ・日本・ドイツ・イギリス・フランス・イタリアに次ぐ経済大国になったが、新しい通貨バスケット制の下でも相変わらず対ドル固定相場に限りなく近い実態にある。だから外国為替相場には多様な通貨が入り乱れているけれども現時点においては、ドル・ユ−ロ・円の3つに絞って相場を見ることができると思う。
 おかめ8目か敗将語兵かは先々明らかになることではあるが、私が注目しているのは日本・中国・台湾の順に多い外貨準備高である。準備高が多いといえば聞こえがいいけれども、それは国策により外貨を購入し、自然な状態よりも自国の通貨が割安になるように、つまりは輸出に有利なように操作していることに他ならない。急成長を遂げている中国は近日中にこのシステムを維持できなくなることだろう。また日本は逆に、極度に悪化した財政が外貨保有に耐え切れなくなると思われる。上向きのタガが外れたとき、円と人民元は急伸するはずだ。
 だから買うのなら人民元だが、円高を見越して模様眺めをするのは賢明かもしれない。確かに保証金取引は円売りだけではなく円買い注文から入ることはできるけれど、日常において既に円の経済圏にいる日本人にとって、円買いは二重のリスクを意味する。円高が相当に進行するまでは待とう。その頃には株取引の余剰資金ができているだろうと、勝手な妄想をする私であった。