2004-01-01から1年間の記事一覧

杜の都

朝の連続テレビ小説70作目「天花」が始まった。ヒロインに変な名前を付けて、それをそのままタイトルにするという常套手段には辟易しているけれども、藤澤恵麻はいい。「ほんまもん」の池脇千鶴以来の好印象で、天花を見てから気分よく出勤できそうだ。 舞…

桜蔭

毎年、この季節になるとサンデー毎日などで高校別の大学合格者数が報じられる。それによれば2004年の東大入試では桜蔭高校が躍進したという。 桜蔭高校が東大合格者を倍増させて、男子御三家などとの互角に人数を競うようになったのは、1994年のこと…

劉邦の組織

面白半分に漢の劉邦の部下を近代の軍部の職制に擬えたことがある。蕭何は軍部大臣、張良は参謀総長、陳平は参謀次長、韓信は第1軍司令官、曹参は第1軍参謀長、彭越は第2軍司令官、英布が第3軍司令官。 これが三国志になるとそうはいかない。諸葛亮も司馬…

ものづくりの国

北海道庁の新人研修のとき、北海道が今後発展していくためにはどうしたらいいか、講師からグループ討議の課題が出された。多くのグループが、農業と観光の振興という回答を導いていた。私は自分の発想の貧困さを棚に上げて、誰でも同じようなことを考えるも…

浦島太郎の遺言

旅行会社の壁に大きな南洋のポスターが貼ってあった。透き通る海は、しばれる冬の北海道に住む私たちにとって憧れである。しかしその環境は、私たちが想起する豊かな自然とは乖離している。南洋は生物のほとんど住めない場所だからこそ透き通って美しい。南…

モーニング娘。

今さらモーニング娘。もないだろうとは思うのだけれど。 私がモーニング娘。に初めて関心を持ったのはラブマシーンだった。新メンバーの後藤真希を中心にしたこの時期から早五年。構成員もグループそのものも大きく変化した。 拡大を続けるモーニング娘。に…

義経と芭蕉と私の旅

昨日の青森からの帰路、海峡線から津軽線に乗り換えた。終着駅の三厩は義経伝説の地である。藤原泰衡に裏切られた義経は平泉を落ち延びて宮古から海路を津軽に入る。竜飛岬の付け根にあたる三厩まで追い詰められた彼が仏像を彫っていると荒れる海峡は穏やか…

ひょっこりひょうたん島

一年間にわたるNHKひょっこりひょうたん島の再放送が今月で終了する。この再放送を録画・保存するためにビデオデッキを購入した私としては、残念であると同時に、毎週ビデオが確実に作動しているか確認するために土曜の7時25分には帰宅しなければならなか…

新幹線の明日

3月のダイヤ改正で九州新幹線の八代〜鹿児島が開通する。平成10年の高崎〜長野、平成15年の盛岡〜八戸に続くこの新幹線でいよいよ整備新幹線が現実のものになった感がある。 東北・北海道新幹線、北陸新幹線、九州新幹線のうちどれを優先して工事してい…

お酒の科学

私が保健管理センターの大塚良則助教授を訪問したのは、もう4年以上も前のことである。 当時、恵迪寮という大学の寮の自治会で飲酒事故防止対策特別委員というのをしていた私は自治会での議決に基づいて、お酒に関する授業をつくるよう大学当局に働きかける…

ケータイ

「携帯電話のご使用は周りのお客様のご迷惑となりますので、お控えくださるようお願い申し上げます」 JR江差線の車内でアナウンスが流れると、いつものことではあるが不可解に感じる。どうして迷惑なのだろうか。 第一に考えられるのは、運行機器に障害を…

違憲立法審査と参議院

日本国憲法施行以来、最高裁判所は5種6件違憲立法の判断をした。尊属殺に通常の殺人罪とは不均衡な刑を科した刑法、森林の二分の一の共有持ち分を有する者による分割の請求を認めなかった森林法、距離制限規定により新規出店の認可を出さなかった薬事法、…

辞〜別れの言葉

辞という文字には、別れという意味と言葉という意味の両方が含まれていると習った記憶がある。別れというのは、それまでの人間関係が凝集される瞬間であり、そこでの言葉というのは時として芸術的なまで人の心を打つことになる。 Boys,be ambitious.というの…

Yさんのこと

Yさんのこと Yさんというのは、高校の一つ後輩にあたる人だ。当時の私は、Yさんのことを気にいっていたけれども、ついにそういうことは言い出せずに卒業してしまった。 高校を卒業しても碌に勉強をしていなかった私に入れる大学はなく浪人することになった…

少女監禁

数年前に新潟で、9年半にわたり少女が監禁されていたというショッキングな事件があった。新潟地方裁判所がこの事件で懲役14年の判決を出したのは2002年春のことである。 監禁罪の最高刑は10年、窃盗罪(余罪として万引きが認定された)の最高刑は1…

白河楽翁候

松平定信といえば寛政の改革。せっかく田沼意次が近代化を進めたのに、幕政を後退させた政治家というのが一般的な印象だと思う。少なくとも私は、彼と水野忠邦について、小さい頃そう思っていた。 定信は、田安宗武の子である。田安家は御三卿の筆頭。順当に…

人間になるための学問

ここ数年、私が関心を持っているアカデミックな分野は文学と法学と農学である。そう言うと怪訝な顔をする人がいる。それは、この三つが人文・社会・自然という全く異なるカテゴリーに属していると感じられるからだろう。 私は、この三つの乖離を意識したこと…

冬の森

道庁の新人研修に栗山の森での作業があった。母子里を思い出していた。 母子里は空知の最北部、朱鞠内の湖畔にある。マイナス41.2℃だったと思うけれど、昭和53年に日本最低気温を記録した集落である。JR深名線も廃線になって久しく、その集落は雪の…

大正の日

4月29日をみどりの日から昭和の日として、激動の昭和を偲ぼうという法改正の動きがあるそうだ。 私は崩御のとき、もう小学5年になっていた。この世代には、法律を待つまでもなく天皇誕生日としての記憶が残っている。ところで、もう一つ天皇誕生日が祝日…

鉄路の彼方へ

東北新幹線が八戸まで北進し、白鳥が函館までを首都圏と結んだダイヤ改正から、まもなく1周年だという。 しかし、この新ダイヤは、われわれ青春18切符の愛好者にとっては、改悪でしかなかった。盛岡・八戸間の東北本線はJRから切り離されたし、青森・函…

ひとつの崖から

まだ幼稚園に入る前だから、もう20年以上前に読んだ本のタイトルである。筆者は当時高校生だったそうだけど、今はどうしていることだろう。 化石の入門書であるこの本には、平凡な崖から採れる貝化石の魅力が綴られている。二枚貝の種類によって水温や水深…

J文学,綿矢りさ

芥川賞候補作が発表された。候補5作のうち、19・20歳の女性が3人というのが異例で話題を集めている。選考は今月15日。結果によっては、さらに大きな反響を呼ぶ事になりそうだ。 私が最も注目するのは綿矢りさ。処女作「インストール」が文芸賞を受け…

中等教育への情熱

昨年は旭川東高校が創立百周年をむかえたそうだ。 道内の高校で最も古いのは明治28年創立の札幌南(旧制札幌第一中学校)と函館中部(函館中学校)。明治34年の札幌北(札幌高等女学校)、35年の小樽潮稜(小樽中学校)、36年の旭川東(旭川中学校)…

北方領土問題の早期解決を

最近の外交問題といえば、イラクと北朝鮮に目がいきがちになるが、依然として北方領土はわが国にとっての懸案である。特に、プーチン政権が高支持率で安定している今こそ、首脳のリーダーシップで解決に導くチャンスでもある。さらに日本国内の道州制の議論…

純愛、不治の病、死。

あけましておめでとうございます。本年も皆様にとってよい年でありますように。 さて、毎週更新といいながらしばらく管理をさぼっていた私は年末年始、イギリスへ行っていました。ロンドンを基点に、北はスコットランドのインヴァネス、西はアイルランドのダ…