租税と労働のシステム

たまたま支庁の税務課に採用され、たまたま労働委員会で勤務している私が、租税と労働を結びつけてモノを考えるというのは安易すぎるようであるし、人事担当の思う壺かもしれない。しかし、一見接点のないようなこの二つは、社会を見つめる上で非常にいい展…

インドのトイレ

幾つかの国を旅行したが、一番おもしろかったのはどこかと訊かれると、インドということにしている。それは、日本の常識では考えられないような事態が次々の発生する衝撃が強烈だからである。例えば、欧米ならば英語で意思疎通さえでき、100円=1ドル=…

夏の高校野球

南北海道選抜の駒澤大学苫小牧が3連覇を賭けた今夏の甲子園は終わった。札幌の街角のあちらこちらには「駒大苫小牧感動をありがとう」の垂れ幕が下がっている。同感である。つい最近まで、優勝旗は白河の関を越えたことはなかったのだ。東北各県の有名校を…

北朝鮮に制裁を

私は、北朝鮮への制裁を強化すべきであると考えている。 もっとも、その制裁の主たる理由には拉致問題は含まれていない。いかに拉致が非人道的な行為であったとしても、わずか数十人のために、一億国民の命運がかかる外交判断をするべきではない。また、例え…

北海道サマータイム

北海道サマータイムの試みは今年で3回目を迎えた。人為的に時間を変更するというのは妙な感覚だし、個々が早寝早起きの習慣を身に着ければそれでよいようにも思える。しかし、少し考えてみると北海道でサマータイム制を導入するのは面白いかもしれない。 ま…

第135回 芥川賞選評

私は、趣味は何ですかと訊かれて、小説を読むことだと答えるのには躊躇いがある。何故ならば、必ずといって良いほど次は、好きな作家は誰ですかと訊かれることになるからだ。こう訊かれても、石原慎太郎・村上龍・田中康夫のように、実力を認めつつも嫌いな…

夕張の財政再建

空知支庁管内の夕張市が6月20日、財政再建団体指定の申請を表明した。直近の指定は平成4年の福岡県赤池町であり、再建は平成13年にようやく完了した。しかし、赤池町の負債額は標準財政規模の一年半分であったのに対して、夕張市のそれは約十年とされ…

英会話

最近、NOVAに通いだした。何を今さらと、思わぬでもない。中学校1年生の頃から、英語は常に私の人生の足を引っ張る存在だった。京大受験に失敗したときも、霞ヶ関への就職に失敗したときも、もう一歩という実感はあったものの他方でライバル達との英語力の差…

格差社会

麻垣康三と称された自由民主党の総裁レースは、どうやら本命・安部晋三官房長官、対抗・福田康夫前官房長官という構図になってきているようだ。この二人はそれぞれ清和会の会長であった安部晋太郎・福田糾夫の子であり、初入閣で重要ポストである官房長官に…

桜花

異常気象は暖冬ばかりではない。例年ならゴールデンウイークが見頃になる北海道の桜、今年はようやく開花した。しかし考えてみれば、桜の魅力はまだ寒々と赤茶けた風景の中で独り鮮やかなピンクを誇示し、華やかな春の先鞭をつけただけで一斉に散っていくと…

2万件

本日、ついに20000件目のアクセスをいただきました。 HPを立ち上げたのはH15年12月。はてなダイアリーに引っ越してきたのはH16年10月。ほんの短い間にカウンターを回すことができたのは、ひとえに訪問される皆様の暖かいご指導があったから…

失われた世代

戦後の復員により1950年前後に第一次ベビーブームが生じ、堺屋太一氏により団塊の世代と命名された。同世代の中では激しい競争を強いられると同時に、前後の世代を凌駕する発言力を有し続けてきた彼らの安価で高い技術力こそが、高度経済成長から石油危…

ポートフォリオ

バブルの頃を凌ぐような投資ブームが到来している。銀行でさえ貯蓄よりむしろ投資信託を勧めるし、書店では株式に関連する本が山積みになっている。こういう世の流れに対して、当然ながらバブルの再来と警鐘をならす人もいる。絶えず、経済が間違った方に向…

ホームページ名称などの変更について(おしらせ)

私は常々、昨今の個人情報保護に対する過剰な反応に批判的な立場でありました。確かに個人情報の漏洩が一因となって事件に巻き込まれるという事件が報道されることが頻繁にあります。しかし、どれくらいの確率で事件に巻き込まれるのか、それを厳重に管理す…

早期勧奨退職制度

防衛施設庁の談合疑惑について、技官のトップが逮捕された。新聞報道などによれば、この談合は、天下り先の確保を意図してなされたものだという。公務員が、その官公庁と特別な関係にある民間企業に再就職する天下り。これをめぐる汚職は、最近に始まること…

医食同源

土曜から金曜への変更はあったが、午後11時からのNHK韓国ドラマの枠は定着した感がある。私としては、大ヒットした「冬のソナタ」よりも、音楽業界を舞台とした「美しき日々」やカジノを舞台とした「オ−ルイン」の方がおもしろかった。いずれもイ・ビョ…

戦略と戦術

明治維新の後、日本は欧米の文化を積極的に取り入れたけれども、富国強兵の主軸を担う軍部においてもその傾向は顕著であった。ドイツからモルトケ参謀総長の愛弟子であるメッケルを陸軍大学校教官として招くとともにクラウゼッツの「戦争論」を翻訳して、ド…

中露の接近

一昨年、私はこの稿で世界は三つの経済圏に収斂されるだろうと述べた。すなわちアメリカ・EU・日本という三つの経済圏が、それぞれブラジル・ロシア・中国という新興大国との関係を強めていき、そこへIT技術を通してインドが参画していくという構図であ…

モン族の少女

年末年始、アメリカ大陸を横断した。メキシコ西岸のティファナからカナダ東岸のモントリオ−ルを経てニュ−ヨ−クに至る陸路は、言語も気候も食事も様々であった。そして、この鉄道旅行の中軸においたのが、ロサンゼルスからシカゴまで2泊3日のサウスウエスト…

ホリプロ

昨年末、私は日本株式に投資するにあたり、北海道内の企業に銘柄を限定することとしたが、この方針によって投資のエンターンテインメント性は随分と失われてしまった。楽天株式を処分することで、野球とサッカーのチーム(いずれも弱小だけれども)をも手放…

第134回 芥川賞選評

選考委員の大幅かつ唐突な差し替えが物議を醸した野間文芸新人賞は、青木淳悟「四十日と四十夜のメルヘン」(新潮社)と平田俊子「二人乗り」(講談社)の受賞となった。新潮賞受賞作を受賞後第一作と合わせて単行本化した「四十日・・・」はほぼ満票だった…

株式市場の3人

今年は、日経平均株価が約1.5倍になった日本経済復活の年であると同時に企業買収に揺れた年でもあった。ライブドアの日本テレビ買収に始まり、楽天のTBS買収に終わったと言っても過言ではない。去年にはプロ野球参入をめぐって対決した堀江貴文社長と…

開発局をどうするか

平成15年の総選挙において自由民主党の公約となった道州制であるけれども、ここのところ全く進展がない。政を掌る者は機を見るに敏でなければならず、不本意な部分はあっても、首相の発言に連続して何らかの合意を得るべきであった。二段階統合論に拘泥し…

正義の乖離

京都の学習塾で、同志社大学法学部に在籍するバイト講師が塾生を刺殺するという事件が起きた。現在の捜査段階においては歪んだ小児性愛によるものではないとされており、その点においては広島と栃木で相次いだ女児殺害事件とは同類型にできないと思われる。…

シルクロ−ドの終着駅

シルクロ−ドという言葉を、前稿では砂漠を縫うオアシスの道として語った。しかしシルクロ−ドには、狭義のオアシスの道の他に、ステップの道と海の道がある。 オアシスの道がシルクロ−ドであったのは中国が周から漢を経て唐に至る時代までであった。玄宗皇帝…

シルクロードの旅

旅行好きな私に時間と資金があれば、ぜひ一生に一度でもやってみたいのがシルクロード横断である。シルクロード!何という浪漫あふれる呼び名であろうか。東洋と西洋を結ぶ世界の幹線であったこの路を辿ることは、そのまま世界の歴史を辿ることである。 日本…

A級戦犯

首相の靖国参拝が日中韓の国際問題となり、また違憲判決が出されるなど論議を呼んでいる。そして、この問題ではA級戦犯が靖国神社に祀られていることが争点となっている。A級戦犯の問題は私にとっては、他人事には感じられない。終戦時の航空総軍司令官で…

衣川以後の義経

私の勤務する檜山支庁から徒歩5分のところに江差町文化会館というところがある。潮風のためにガラスが汚れているのが難だけれども、ここのラウンジから眺めることができる日本海は非常に美しい。最近では、昼休みに職場を抜けだし、ここでゆっくりするのが…

理由

明後日、テレビ放映される「理由」を読んだ。同書は「龍は眠る」「返事はいらない」「火車」「人質カノン」「蒲生邸事件」が候補作となった宮部みゆきの直木賞受賞作である。嗜好が純文学に偏っている私にとっては、大衆文学に接するということ自体が事件で…

外国為替相場

ほくほくホ−ルディングス(北陸銀行・北海道銀行)株が取得時33万円の1.5倍49万7千円になった木曜、TBS買収の失敗や個人情報漏洩に揺れる楽天株を発注した。次は、日本航空か日本マクドナルドをと思っているのだけれど、これだけ国内株式に投資す…